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【保存版】家づくりで出会う建築用語をスッキリ解説!無添加住宅編つき
こんにちは!
家づくりやリフォームを考え始めると、たくさんの専門用語に出会って戸惑うことはありませんか?
「この言葉、どういう意味だろう?」
「打ち合わせで聞いたけど、よく分からなかった…」
そんなお悩みを解決するために、今回は家づくりでよく使われる建築用語と、「無添加住宅」に関連するキーワードを分かりやすく解説します。
この用語集が、あなたの理想の家づくりをスムーズに進めるための一助となれば幸いです。
1.家づくりの基本と計画に関する用語
まずは、家づくりの計画段階や手続きでよく耳にする基本的な用語です。
- 建築確認申請(けんちくかくにんしんせい)
建物を建てる前に、その計画が建築基準法や関連法規に適合しているか、行政や指定確認検査機関の審査を受けるための手続きです。これが承認されないと工事を始めることができません。 - 建蔽率(けんぺいりつ)
敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合のこと。「敷地の何%まで建物を建てて良いか」を示す数値で、用途地域ごとに上限が定められています。 - 容積率(ようせきりつ)
敷地面積に対する延床面積(各階の床面積の合計)の割合のこと。「敷地の何%までの広さの家を建てて良いか」を示す数値で、こちらも用途地域ごとに上限があります。 - 用途地域(ようとちいき)
都市計画法に基づき、住居、商業、工業など、土地の利用目的や建てられる建物の種類、大きさ、高さなどに制限を設けている地域区分です。全部で13種類あり、快適な住環境を守ったり、効率的な都市活動を促したりするために定められています。家を建てる土地がどの用途地域に属するかは非常に重要です。 - 坪(つぼ)/坪単価(つぼたんか)
敷地や建物の面積を表す際によく使われる単位で、1坪は約3.3平方メートル(畳約2枚分)です。「坪単価」は、建物の本体工事費を延床面積(坪)で割ったもので、建築費用の目安の一つとして使われます。 - 建築士(けんちくし)
建物の設計や工事監理を行うための国家資格を持つ専門家です。一級建築士、二級建築士、木造建築士の資格があり、特に住宅設計では二級建築士や木造建築士が関わることが多いです。 - シックハウス症候群
建材や家具、日用品などから発散される化学物質などが原因で起こる、目や喉の痛み、頭痛、めまい、皮膚炎といった健康障害の総称です。 - 地盤調査(じばんちょうさ)
建物を安全に建てるために、その土地の地耐力(地盤が建物の重さに耐える力)や性質を調べる調査です。調査結果によっては地盤改良工事が必要になることもあります。 - 契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん)
引き渡された住宅に、契約内容と異なる点(品質、種類、数量などに関する不適合)が見つかった場合、売主や建築会社が買主に対して負う修補や損害賠償などの責任のことです。以前は「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」と呼ばれていましたが、民法改正により現在の名称と内容に変更されました。 - 長期優良住宅(ちょうきゆうりょうじゅうたく)
長期間にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅のこと。耐震性、耐久性、省エネルギー性などの基準を満たすと認定され、税制優遇などを受けられる場合があります。 - ZEH(ゼッチ:Net Zero Energy House)
「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略。断熱性能の向上や高効率な設備の導入により省エネを図り、太陽光発電などでエネルギーを創ることで、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅です。
2.建物の構造と性能に関する用語
家の骨組みや住み心地に関わる重要な用語です。
- 基礎(きそ)
建物の重さを地面に伝え、建物を支える土台となる部分。「布基礎(ぬのぎそ)」や「ベタ基礎」などの種類があります。 - 木造軸組工法(もくぞうじくぐみこうほう)/在来工法(ざいらいこうほう)
柱、梁、筋かいといった木の軸組で建物を支える、日本の伝統的な木造建築工法です。設計の自由度が高いのが特徴です。 - ツーバイフォー工法(2×4工法)
2インチ×4インチ規格の木材で作った枠組みに構造用合板を貼り付け、壁や床、屋根を構成していく工法。「枠組壁工法」とも呼ばれます。面で支えるため耐震性や気密性に優れるとされています。 - 耐震等級(たいしんとうきゅう)
地震に対する建物の強さを示す指標で、等級1~3まであります。等級3が最も耐震性が高く、建築基準法で定められた最低限の基準(等級1)の1.5倍の力に耐えられる設計です。 - 耐久性(たいきゅうせい)
建物が長期間にわたって、その機能や性能を損なうことなく安全に使用できるかどうかを示す性能のこと。適切な材料選びや工法、定期的なメンテナンスによって高めることができます。 - 断熱材(だんねつざい)
外気からの熱の伝わりを抑え、室内の温度を快適に保つための材料です。グラスウール、ロックウール、発泡プラスチック系、セルロースファイバー、羊毛断熱材など様々な種類があります。 - UA値(ユーエーち:外皮平均熱貫流率)
住宅の断熱性能を示す数値で、「外皮平均熱貫流率」のことです。建物の中から外へどれだけ熱が逃げやすいかを表し、この数値が小さいほど断熱性能が高く、エネルギー効率の良い家と言えます。省エネ基準やHEAT20の基準値としても用いられます。 - 省エネ基準(しょうえねきじゅん)
住宅のエネルギー消費量を抑えるために国が定めた基準のこと。主に断熱性能(外皮性能、UA値など)と一次エネルギー消費量で評価されます。住宅ローン減税や補助金制度の利用条件となることもあります。 - HEAT20(ヒートトゥエンティ)
「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称で、健康で快適な住環境と省エネルギーを目指すための住宅性能水準を提言している団体、およびその基準のこと。国の省エネ基準よりも高い断熱性能(G1、G2、G3グレード)を地域ごとに示しており、より質の高い住まいづくりの指針となっています。 - 気密性(きみつせい)
住宅の隙間がどれだけ少ないかを示す性能のこと。C値(相当隙間面積)という数値で表され、数値が小さいほど気密性が高いことを意味します。冷暖房効率や換気効率に影響します。 - 換気システム(かんきシステム)
室内の汚れた空気を排出し、新鮮な外気を取り入れるための設備。シックハウス対策のため、24時間換気が義務付けられています。「第一種換気」「第二種換気」「第三種換気」などの方式があります。 - 結露(けつろ)
空気中の水蒸気が冷やされて水滴になる現象。窓ガラスに発生する「表面結露」のほか、壁の内部で発生する「壁内結露(内部結露)」は、カビや腐朽の原因となり住宅の耐久性を損なうため注意が必要です。
3.建物の部位と仕上げに関する用語
家の見た目や使い勝手に関わる部分の名称です。
- 屋根材(やねざい)
屋根の表面を覆う材料。瓦(和瓦、洋瓦)、スレート(化粧スレート、天然スレート)、金属板(ガルバリウム鋼板など)といった種類があります。 - 外壁材(がいへきざい)
建物の外側の壁に使用する仕上げ材。窯業系サイディング、金属系サイディング、塗り壁(漆喰、珪藻土、ジョリパットなど)、タイル、ALCパネルなどがあります。 - 内装材(ないそうざい)
室内の壁、天井、床などの仕上げに使われる材料の総称です。 - フローリング
木質系の床材。「無垢フローリング(単層フローリング)」と、合板などの基材の表面に化粧材を貼り付けた「複合フローリング(複層フローリング)」があります。 - クロス(壁紙)
壁や天井の仕上げに用いられるシート状の材料。ビニールクロスが一般的ですが、紙クロス、布クロス、珪藻土クロスなど素材も多様です。 - 建具(たてぐ)
ドア、窓、障子、ふすまなど、開口部に取り付けられる開閉機能を持つものの総称です。 - サッシ
窓枠のこと。主にアルミ製、樹脂製、木製、またはそれらを組み合わせた複合サッシがあります。断熱性能に大きく関わる部分です。 - Low-Eガラス(ローイーガラス)
ガラスの表面に特殊な金属膜をコーティングすることで、断熱性や遮熱性を高めたガラスです。太陽の日射熱をカットする「遮熱タイプ」と、室内の暖房熱を逃がしにくくする「断熱タイプ」があり、窓の方角や季節に応じて使い分けることで、より快適な室内環境を実現できます。 - 水回り(みずまわり)
キッチン、浴室、洗面所、トイレなど、住宅内で水を使用する場所の総称です。間取りを考える上で、家事動線や配管計画、メンテナンスのしやすさなどを考慮して配置することが重要です。 - バリアフリー
高齢者や身体の不自由な方などが、日常生活を安全かつ快適に送れるように、物理的な障壁(バリア)を取り除いた設計のこと。床の段差解消、手すりの設置、引き戸の採用、通路幅の確保などが挙げられます。
4.【特集】無添加住宅でよく聞くキーワード
近年、健康や環境への配慮から関心が高まっている「無添加住宅」。化学物質をできるだけ使わず、自然素材を活かした家づくりでよく使われる用語をご紹介します。
- 無添加住宅(むてんかじゅうたく)
合成化学物質や化学建材の使用を極力避け、天然素材・自然素材をできる限り使用して建てられる住宅、またはその考え方。シックハウス症候群の予防や、住む人の健康、環境負荷の低減を目指します。
※「無添加住宅」は特定の企業が商標登録している名称でもありますが、ここでは広義の「化学物質に頼らない自然素材の家」を指しています。 - 天然素材(てんねんそざい)/自然素材(しぜんそざい)
化学的な加工や合成を施していない、自然界に存在する素材。木材、石、土、紙、草などが代表的です。これらを活かすことで、健康的で心地よい住空間を目指します。 - 無垢材(むくざい)
一本の原木から切り出した、混ぜ物をしていない木材のこと。調湿効果や温かみのある質感が特徴で、フローリング、柱、梁、家具などに使われます。経年変化で風合いが増すのも魅力です。 - 漆喰(しっくい)
消石灰(水酸化カルシウム)を主原料とした塗り壁材。調湿性、防火性、防カビ性、消臭効果などに優れています。古くから日本の城や蔵に使われてきた伝統的な素材です。 - 珪藻土(けいそうど)
植物プランクトンの一種である珪藻の殻の化石が堆積してできた土。微細な孔(あな)が無数にあり、高い調湿性が特徴の塗り壁材です。消臭効果や耐火性も持ち合わせています。 - 自然塗料(しぜんとりょう)
植物油(亜麻仁油、桐油など)や蜜蝋、天然樹脂といった自然由来の成分を主原料として作られた塗料。VOC(揮発性有機化合物)の含有量が少ないか、含まないものが多く、木の呼吸を妨げにくいのが特徴です。柿渋と並び、安全性を重視する方に選ばれます。 - 柿渋(かきしぶ)
まだ青い渋柿の果汁を発酵・熟成させた液体。古くから木材の防腐・防水・防虫塗料として、また染料としても利用されてきました。シックハウスの原因となる化学物質を含まない天然塗料です。 - にかわ(膠)
動物の皮や骨、腱などを煮て作られるゼラチンを主成分とする天然の接着剤。化学接着剤の代替として、家具の製作や一部の建材の接着に使われることがあります。 - 米のり(こめのり)
お米から作られるでんぷん糊。化学物質を含まない安全性の高い接着剤として、壁紙(特に和紙など自然素材の壁紙)の施工などに用いられます。 - 和紙クロス(わしクロス)
和紙を原料とした壁紙のこと。調湿性や通気性に優れ、独特の風合いや温かみが魅力です。ビニールクロスに比べ、静電気が起きにくくホコリが付きにくいといったメリットもあります。無添加住宅や自然素材を重視する家づくりと相性が良い内装材です。 - 天然石(てんねんせき)
自然界で採掘される石材。屋根材(天然スレート)、外壁、内装のアクセント、カウンタートップなどに使われます。耐久性が高く、重厚感と独特の風合いが魅力です。 - 羊毛断熱材(ようもうだんねつざい)
羊の毛を原料とした断熱材。高い断熱性に加え、調湿性、吸音性、さらには空気中の有害物質を吸着・分解する効果も期待できる自然素材です。 - セルロースファイバー
新聞古紙などの木質繊維をリサイクルして作られる断熱材。高い断熱性、調湿性、防音性、防火性を持ち、隙間なく施工しやすいのが特徴です。環境負荷も少ない素材です。 - 炭化コルク(たんかコルク)
コルク樫の樹皮を高温で蒸し焼き(炭化)して作られる断熱材や内装材。コルク自身の樹脂成分で固まるため化学接着剤を必要とせず、高い断熱性、調湿性、防音性、防虫性、耐久性を持ちます。燃えにくく、万が一燃えても有害ガスが発生しにくいのも特徴で、無添加住宅で注目される自然素材の一つです。 - VOC(揮発性有機化合物:Volatile Organic Compounds)
常温で揮発しやすい有機化合物の総称。塗料、接着剤、合板、壁紙など多くの建材に含まれ、シックハウス症候群の原因物質となることがあります。無添加住宅では、このVOCの発生が少ない建材を選びます。 - F☆☆☆☆(エフフォースター)
建材に含まれるホルムアルデヒドの発散量を示すJIS・JASの等級表示。F☆☆☆☆は発散量が最も少なく、建築基準法で使用制限がない最も安全性の高いランクです。 - 調湿効果(ちょうしつこうか)
室内の湿度が高いときには湿気を吸収し、乾燥しているときには湿気を放出する性質。無垢材や漆喰、珪藻土などの自然素材が持つ代表的な機能で、結露の抑制や快適な室内環境の維持に役立ちます。 - 経年美化(けいねんびか)
時間が経つにつれて素材の味わいが増し、美しく変化していくこと。無垢材の色艶が深まったり、漆喰の壁が落ち着いた風合いになったりする様子を指します。人工素材の「経年劣化」とは対照的な考え方です。
5.おわりに
今回は、家づくりでよく使われる建築用語と、無添加住宅に関連するキーワードをご紹介しました。
専門用語が多い建築の世界ですが、基本的な言葉の意味を知っておくだけでも、建築会社との打ち合わせがスムーズになったり、家づくりの情報収集がしやすくなったりします。
もちろん、ここに挙げた用語が全てではありません。もし分からない言葉や、もっと詳しく知りたい用語があれば、ぜひ教えてくださいね。
皆さんの家づくりが、より楽しく、より納得のいくものになることを心から願っています!